IS2-A 産業応用

  • 12/6(金) 13:25-15:00
    コーディネータ:野口稔(日立ハイテクノロジーズ)
     
    IS2-A1 CCDカメラを用いた火災炎の検出
    (OS4-H1) ○樫原孝幸,寺田賢治(徳島大),
    遠藤義英,中野主久,山岸貴俊(能美防災)
    概要:監視カメラを用いて火災炎の検出をする手法を紹介する.まず取得した映像に対して領域の抽出を行い, 次に,抽出された領域に対して特徴量を算出する.最後に算出された特徴量に基づき,炎らしさの判定を行う. また,防災システムの構築には,高い判定精度が要求される為,動きや形等の特徴を計算することで, 人や車の動き,回転灯等の誤報源との区別を行い,最終的な火災検出判断を行った. 結果として,人や車,回転灯が設置された環境でも誤検出することはなく, 多様な条件に対応可能な炎検出アルゴリズムを確立出来た.
    <キーワード>防災,火災炎検出,CCDカメラ


    横からの強風に煽られる炎の検出結果

    IS2-A2 存在確率の遷移分析に基づく物体の組み立て作業の階層的記述
    (OS4-H2) ○渡邉瞭太,橋本学(中京大)
    概要:生産ラインにおける作業者による組み立て作業を分析するために必要な作業動作の記述フォーマットおよび,その自動記述を可能にするセンシングシステムを提案する.記述フォーマットは,手の基本動作の種類と発生順序,および手によって変化する物体の移動や状態の変化を表現するものである.提案するセンシングシステムでは,手と物体の存在位置を確率的に表現することによって,それらの干渉を評価する.実験により,自動記述が可能であること,および記述成功率83%を確認した.
    <キーワード>階層的記述,物体の組み立て作業,存在確率


    階層的動作記述の概要

    IS2-A3 教示画像自動選択による高速最適化
    (OS4-H3) ○佐藤美道(日立ハイテクノロジーズ)
    概要:画像処理アルゴリズムの自動最適化を高速化する方式を提案する。数多くのサンプルに対して共通に有効な画像処理アルゴリズムの自動最適化に本方式は効果がある。教示データであるサンプル群を分類したのち代表データを決定する自動選択処理により,使用するサンプルの数を減少させた最適化を併用して効率を向上させる。遺伝的プログラミングによるテンプレートマッチングの最適化で実験した結果,従来より効率が約2倍に向上した。
    <キーワード>半導体計測,高速化,自動最適化,遺伝的プログラミング


    提案手法

    IS2-A4 実部品による【傷の気付き】処理の性能検証
    (OS4-H4) 青木公也,平井大喜,吉村裕一郎,舟橋琢磨,輿水大和(中京大),
    ○三和田靖彦(トヨタ)
    概要:著者らは,視覚生理機構の「周辺視」と「固視微動」に学んだ【傷の気付き】処理を提案している. これまで,少なくとも画像検査における傷・欠陥の「発見」のプロセスについては,様々な目視検査 対象の自動化において汎用的に同処理が適用できる可能性を示唆した.本研究では実ワーク画 像を対象に,その検査ソフトの模擬的開発を通して,【傷の気付き】処理の汎用性と,個別の実問 題への適応性を検証する.従来の一般的な開発プロセス(一品一様の開発)と比較し,簡便なパラ メータ調整のみで実問題に適用可能であったので報告する.
    <キーワード>目視検査,自動化,傷の気付き,開発工程

    開発結果例(欠陥の検出結果)

    IS2-A5 カメラとラインレーザーによるプレス穴の位置計測システムの改良
    (OS4-H5) ○佐藤諒一,加藤邦人(岐阜大),原田耕太(KYB)
    概要:自動車部品における穴位置寸法検査には高い精度が求められる.そこで,カメラとライン レーザーを用いて穴位置の 3 次元計測を行う計測装置を構築し,計測対象を回転させながら計測することで誤差 0.1mm の精度を得た. しかし,この装置ではラインレーザーの照射範囲が限られるため,製品ごとの部品形状に対して汎用性が低い. そのため,新たにラインレーザーを平行移動させる計測装置を構築した.
    <キーワード>レーザー3 次元計測,プレス穴部品,穴位置計測

    計測装置

    IS2-A6 ビンピッキングのための単一部品領域の絞り込み
    ○外山航,上田大地,榎田修一,江島俊朗(九工大)
    概要:本研究は基準点群を基にした手法を利用して、バラ積み工業部品を対象としたビンピッキ ングシステムの高性能化を図るものである。提案手法として、隠れや背景雑音などの干渉 に対応するために、観測領域(C..)と投票空間(C..)を用いたカプセル化による認識法と level set 法による隠れ推定法の二段階手法を導入し、ピッキング対象の単一部品領域の絞 り込みを行った。実験結果よりバラ積み工業部品への提案手法の有効性を確認した。
    <キーワード>ビンピッキング,3 次元点群,基準点群,Level Set




    IS2-A7 ゴム部材貼合検査における外乱要因の探索
    ○金子祥人,吉川智洋,舟橋琢磨,輿水大和(中京大)
    概要:本研究は,二次元距離計測器を用いて,台座上に逐次貼り付けられたシート状ゴム部材の状態を検査して,不良品の流出を防ぐことを目的とする.欠陥の発生状態は,尖鋭状不良,隙間状不良などシート状部材の貼合ずれによって引き起こされるため,特定位置に発生することを予測することは困難である.本稿では,台座に貼り合わせたゴム部材寸法計測における外乱要因を探索し,基準領域を抽出することを試みた結果を報告する.
    <キーワード>ゴム部材貼合検査,距離画像


    計測対象と結果例

    IS2-A8 A Study on the Measurement and Inspection Apparatus for Transparent Reflective Object Surface
    Byungyeon Kim, Byungjun Park, Daekyu Seo,Daecheol Lim, Daehwa Jeong(LG Electronics)
    Abstract: This paper introduce a novel optical apparatus and method to measure the shape of surface and inspect fine defect. Using a linear CCD, lens optics and patterned light, shape of the surface can be measured. It is possible to adjust its detection power and measurement resolution by adopting motorized optical system. By employing LCD light, the pattern of illumination can be changed easily. As a result, proposed system could detect fine defects as small as several micrometers. And it was possible to measure the surface shape of several nanometers on the surface of transparent reflective material.
    <Keywords>3D Measure,Defect Inspection,Glass

    Proposed Optic Apparatus.
    The optical apparatus is shown. Line scan camera and LCD display as illumination unit are main components of proposed optical apparatus.

    IS2-A9 市販スキャナを用いたダストカウンターシステムの開発
    ○平岡忠志(徳島県立工業技術センター),
    脇田美幸,長尾綾子,後藤仁(NTT-ATクリエイティブ),
    武知康逸,森本真理(オプトピア),服部宏祐,寺田賢治(徳島大)
    概要:異物が付着された粘着シートから市販スキャナとパソコンを用いて自動的に異物を検出し,粒径毎個数を算出するダストカウンターシステムを開発した.目視用に作成した粘着シートには検査員が数えやすいように罫線が印刷されているが,これが検出率低下の原因となるため,罫線が印刷されていない粘着シートを開発した.粘着シートに保護フィルムを貼り合せたときに発生する気泡が検出率低下の原因となるため,気泡の微分値と形状の特徴を利用して異物と気泡の判別をした.20枚のサンプル粘着シートを用意し,検査員の答えを正しいものとして,システムの検出性能を評価したところ,20枚の平均値は精度97.6%,再現率79.7%,F値87.1%であった.
    <キーワード>クリーンルーム,スキャナ,粘着シート




    IS2-A10 機械学習を用いたパターンマッチング位置の正否識別手法
    ○牛場郭介,豊田康隆(日立製作所),
    安部 雄一,長友渉(日立ハイテクノロジーズ)
    概要:自動外観検査では被検査画像の視野ずれを特定する手法の一つとして,検査対象物の設計データと被検査画像を用いたパターンマッチングによる位置決めが行われている.しかし,被写体の形状変形,視野ずれによる一致パターンの欠如などにより位置決めに失敗した場合,指標値から失敗の発生を検出することは困難であった.本研究では,位置決めの成否を正しく判別するために,機械学習を用いて設計データと被検査画像を比較した各位置を正解位置と不正解位置に分類する正否識別手法を提案する.提案手法について,半導体検査を例に検証を実施した.
    <キーワード> パターンマッチング,機械学習, クラスタリング


    正否識別手法の概要とパターンマッチング

    IS2-A11 画像照合に基づく発射弾丸異同識別における有効線条痕の選択
    ○米田圭吾,金子俊一(北大),渋谷久恵(日立製作所),
    仁戸部勤,飯塚正美(科学警察研究所),
    中山透(神奈川県警察科学捜査研究所),前田俊二(広島工大)
    概要:警察では銃器事件対策の強化を進めており,迅速かつ確実に銃器事件を解決するため, より効率的でかつ定量的な発射弾丸の異同識別技術の開発が期待されている.発射弾丸の異同 識別とは,2つの発射弾丸が同一銃器により発射されたものであるか否かを調べるものである.現 状の異同識別鑑定では発射弾丸を比較顕微鏡を用いて鑑定者が目視検査を行うことで定性的な 結論を導いている.この作業には多くの時間と高度な技術を必要とする.本論文では鑑定者の負 担軽減を目的とし,定量的に判断する異同識別を行うための弾丸の類似度算出法を提案する.
    <キーワード>発射弾丸の異同識別,線条痕,発射痕


    発射弾丸の異同識別

    IS2-A12 熟練検査員の身体動作・視線計測に基づく周期性動作の分析
    ○舟橋琢磨,青木公也,輿水大和(中京大)
    概要:筆者らは,目視検査員の技能を解明することを目的として,モーションキャプチャとアイカ メラを併用した計測システムを利用し,作業員の動作と視線において,熟練者と初心者の差異を検 証してきた.また,熟練作業員に目視検査手法におけるノウハウについてヒアリングを行ってきた. これらの知見から熟練者特有の技能指標として,本稿では,「検査を行うための最適な動作」につ いて,熟練者の動作の周期性に着目して動作を分析した結果を報告する.
    <キーワード>技能解析,周期性動作


    頭部中心−ワーク中心間距離

    IS2-A13 海洋計測ロボットのための海中タグ生成手法
    ○野田祥希,高橋悟(香川大),川端邦明(理研),
    金子俊一(北大),武村史朗(沖縄高専),鈴木剛(東京電機大)
    概要:近年,地球環境変化の理解のため海洋情報から地球環境の状態を観測する試みが数多く 取り扱われており,本稿では,珊瑚の白化現象計測から地球環境を把握するための現在開発して いる海洋計測システムの紹介を行う.特に,海洋計測システムに用いる海中ロボットの3次元位置 を動画像より測るために必要な特徴点を海中タグと定義し,海中ロボットの位置計測に関わる手法 を述べる.
    <キーワード>海洋計測ロボット,方向符号照合法,豊富度


    海中タグの追跡結果

    IS2-A14 非等方Bilateral Filterを用いたSIFTの改良
    久野雄貴,大橋剛介(静岡大)
    概要:Scale-Invariant Feature Transform(SIFT)は代表的な対応点探索手法の一つである.本稿 では,非等方Bilateral Filter による非線形スケールスペースを用いることでSIFT を改良し,アフィ ン変換に強く,また,位置推定の誤差を軽減することができたので報告する.
    <キーワード>Scale-Invariant Feature Transform,非線形拡散方程式,Bilateral Filter,アフィン変換


    本手法によるマッチング結果