オーガナイズドセッションOrganized Sessions

OS2:光学・センサー関連技術とその活用
レンズ収差を奥行き手がかりとした単眼カメラ距離計測

三島 直 氏東芝

概要

市販の単眼カメラで撮影した1枚の画像から、レンズ収差によるボケの色付きを分析することで距離を計測する技術を紹介する。画像を用いて高精度に距離を計測する装置としてステレオカメラが広く知られているが、2台のカメラを用いるため小型化が困難であった。そこで、レンズ収差と距離に基づく画像のボケの色づき(収差マップ)を分析して被写体までの距離を計測する手法を提案した。ボケと距離の関係は深層ニューラルネットワークで学習する。これにより市販のデジタルカメラ一台のみで被写体の形状等によらずステレオカメラ並みの高精度な距離計測を実現した。さらに幾何情報とボケ情報を組み合わせることで、従来不可能だったズームレンズのみによる実スケールサイズ計測に関する最新研究についても紹介する。

経歴

1999年慶應義塾大学工学部卒

2001年慶應義塾大学理工学研究科卒(修士)

2001年東芝研究開発センターに入社

2003年同センター マルチメディアラボラトリー

2017年同センター メディアAIラボラトリー

画像処理の専門家として、テレビ向けの高画質化技術、裸眼3Dテレビ向け信号処理技術、イメージセンサ向けの高視認化技術、コンピュテーショナルフォトグラフィ技術、移動体向け自己位置推定技術等の研究開発に従事